アンティーク陶磁器の用語集
トゥーシェの取り扱うアンティーク品の中で、最も多い種類は「アンティーク陶磁器(食器・置物など)」です。 陶磁器のコンディションの考え方、ダメージと捉えるか、趣きとして捉えるか、などは各業者・各個人で多少異なると思いますが、トゥーシェの考え方を用語と合わせて説明致します。用語集といってもダメージ系の用語が主になります。上記の言葉の定義・詳細な説明いたします。個人的見解も含まれます。
ダメージ | トゥーシェの全体的な考え方ですが、陶磁器が製作されたタイミングで既にある不備などは、昔の制作製作特有の「味」と考えております。後天的に生じた欠陥、かつ程度が酷い場合は、ダメージがあると考えています。 | |
キズ | 単純にキズと言うと、かなりの広範囲を指してしまいますが、当サイトのアンティーク陶磁器に関しては、製作後にできた物を指しています。主にナイフのキズやスレなどを表している事がほとんどです。アンティーク品の場合、目立つもの以外はダメージとして考えておりません。 | |
金スレ | 食器の縁取りなどが金彩で装飾されている事が多いですが、その金彩が薄くなっている事を指しています。何かとブツかったためスレるのではなく、人の手や洗い物のスポンジ等とのちょっとした摩擦によって(長い年月で)薄くなった物です。古いアンティーク食器は、未使用でなければ、大抵金スレがあります。むしろ、金スレが全く無い(ほぼ無い)ものは、かなりの美品と考えています。スレ方や場所によりますが、全体的に金スレはダメージとしては全く考えておりません。 スレがほぼ無い例 多少金スレがある例(軽度) |
|
黒点 | 陶磁器を窯の中で焼く際、窯内に漂う粒などが陶磁器に付着し、そのまま焼かれて固まり、陶磁器の一部になってしまった黒点です(フリモノとも言うらしいです)。基本的に古い陶磁器が製作された際の「味」として考えており、ダメージとしては考えておりません。平面的なものと、立体的なものがありますが、後者であまりに多く見栄えが悪い場合のみ欠点として考えております。 平面的な黒点(触れても平らに感じる) 立体的な黒点(ザラザラ、又はボコッとしている) |
|
目跡(めあと) | 陶磁器を窯で焼く時、高台と地面が接触しないように突起で支えることがあります。その際、突起が支えていた部分は釉薬が取れてしまい跡になりますが、これを目跡と言います。お皿の裏に等間隔に3点ザラザラした箇所がある場合、それは目跡でありダメージではありません。 等間隔に3点ある事が多い 釉薬が薄いor無く、ザラっとしている |
|
剥がし跡 | 窯出しの時に高台の底部分がきちんと剥がれずにチップした様になることがあります。これは窯疵の一種(ダメージではない)と考えています。 | |
貫入 |
貫入とは陶磁器の釉薬(うわぐすり)の部分にできる細かいひび模様です。素地(そじ)と釉薬は異なる物質であり、激しい温度変化があった場合に膨張・収縮率が異なるため、一方の素材にもう一方が引っ張られ、ひび割れのような物ができます。これが貫入です。貫入には窯出し直後に発生する場合と、経年で発生する場合があります。 貫入は東洋(中国・日本)では古来より陶磁器の魅力のひとつと考えられており、焼き物に意図的に貫入を入れる陶磁器もあります。 注意点としてですが、貫入は表面上のみのヒビであり、陶磁器がワレているわけではなく、ダメージとは考えておりません。ただ、当サイトでは、なるべく写真にて伝えるようにしています。 上記は細かい貫入が多くあるが、数本長く入っている場合もある。 |
|
チップ | 日本語でいうカケです。非常に小さいものから大きなものまであり、チップがある箇所によっても考えは異なりますが、弊社では特に気にならない箇所に特に気にならない大きさのチップの場合だけ出品しています(もちろんダメージとしてお伝えしております)。 基本的にダメージ扱いですが、製作時からあるチップの場合(上に釉薬がかかっている場合)、窯疵扱いとしております。 |
|
シミ | そのままの意味ですが、釉薬の上についている場合と貫入の中にシミが入り込んでいる場合があります。前者は洗えば大抵は綺麗になります(ただの汚れ)が、後者は綺麗に色を取り除くことは困難な場合があります。
仮に、取り除いても、使えばまた色が付きます。ダメージなのかと言うと、「ダメージではない」なのですが見栄えの問題から弊社ではほとんどシミありの商品は出品しておりません。(和骨董ではダメージとして考えないと思います。)
分かりやすくするために暗く加工していますが、貫入が激しい+吸水性の高い素地(陶器系)+何度も使用している、と色が付きます。 |
|
窯疵(かまきず) | 窯疵とは製作時にできた不備の総称です。 不備と言いましたが、昔の時代に作られた品で、当時としては「不備ではない」のです。そのため後天的にダメージで受けた損傷とは違い、アンティーク業者は不備でなく個性として見る事が多いです。 窯疵かダメージかの分かりやすい特徴は、対象部に釉薬が掛かっているか、掛かっていないかで大方分かります。軽くチップしていたとしても、釉薬が掛かっていれば、それは製作者が「不備ではない」と感じ完成まで仕上げた品なのです。 |
|
ヘアーライン |
ヘアーラインとは髪の毛ほどの線が陶磁器の表裏同位置に入っている事です。これはいわゆるワレで、完全なるダメージです。まず下記の例をみてください。 上記は同一のカップでどちらも線が入ってます。これは釉薬だけでなく、素地まで割れています。 内側は特に色が付いており、分かりやすいですが、パッと見ではわからなくても、よく見るとヘアーラインがある事があります。 (ヘアーラインがあっても、大方、水漏れはしないのです) これはお皿の例。こちらも色があるので分かりやすく壊れております。 |
|
完全な割れ | そのままの意味ですね。半分に割れていたり、ハンドルが折れていたり、バキッと大きなチップがあったりは分かりやすいダメージです。 | |
完品 | 新品(か、それに近い)の状態です。言わずもがな、とても古く状態が完全な物は中々見つかりません。非常に稀です。 このショップ内での言葉の定義なので参考程度に捕らえてください。 |
|
美品 | 多少のスレなどはあっても、綺麗で状態が良いもの。トゥーシェのアイテムの多くがここに部類します。 このショップ内での言葉の定義なので参考程度に捕らえてください。 |
|
良品 | 少しの欠点はありますが全体的には状態は悪くないもの。平たく言うと、並です。 このショップ内での言葉の定義なので参考程度に捕らえてください。 |
|
不良品 | 販売するにはちょっと欠点が大きいもの、明らかな欠陥品が該当します。この中でも軽度なもの(特に品自体が良いブランドやデザインの場合)はアウトレット品として販売する事もあります。 このショップ内での言葉の定義なので参考程度に捕らえてください。 |
ぜひ、トゥーシェの陶磁器も見ていってください!